プロトコール・マナー講師の私が約10年実践している、お店での作法と西洋料理(フルコース)のテーブルマナーについてをお伝えします^^
コース料理の頂き方だけでなく、あまり情報が出ていない「入店から食事を始めるまでの作法」についても取り上げており
海外の方との会食、ビジネスの会食、婚活でのお食事など、様々なシーンで役立てていただけます。
【マナーを知っているメリット】
- 慌てず焦らず、心に余裕を持って、お店の雰囲気やホスピタリティを堪能できる
- お料理やご一緒する人との会話を楽しめる
- 実践出来る方は美しく洗練して見える
- 海外では、入店時にエスコートを行うカップルは、お店の人から見た印象が良く、良いお席に通されるというデータもある
お店の格
まずは、お店の格を知っておきましょう!
- グランメゾン
- レストラン
- ビストロ
上は格が高く、下に行くとカジュアルなお店になります。
お料理はもちろん、設えやホスピタリティでも妥協を許さないグランメゾンは、東京でも約10店舗ほど言われています。
ビストロやレストランではお皿に残ったお肉やお魚のソースをパンで全てすくって頂いたりしますが、グランメゾンではしないのが一般的と言われています。
今日の記事では、グランメゾンで通用するマナーをお伝えしますが、もちろん、レストラン、ビストロで活用いただいても大丈夫です。
入店からお食事が始まるまでの作法
入店
- おもてなしをする人(ホスト)がドアを開け、おもてなしを受ける人(ゲスト)を先に入店させましょう。その後、ホストがお店の方に声をかける
- 大きな荷物、コートはクロークへ預ける
- 基本的におしぼりは出ない(おしぼりは日本の文化)ので、席に着く前にお化粧室で口紅を軽くティッシュオフしたり、お手洗いを済ませ、食事中の中座を避けましょう
着席
テーブルまでのエスコート
スタッフが案内してくれるので、スタッフ – ゲスト – ホストの順番で進んでいきます。
上席の位置
スタッフが最初に引いた席が「上席」です。
(例1)男女カップルで、男性が女性におもてなしをする場合は女性の席
(例2)ビジネスでは上司やゲストの席
着席・バックを置く場所
- 高級店ではスタッフの方が椅子を引いてくれるまで順番を待ちましょう
- バッグをテーブル上に置くにはマナー違反になるので注意(バックは床に直置きすることもあるため、清潔でないとみなされます)
- 小さなバックは椅子の座面上の自身の後ろに置き、大きなバックがある場合は、テーブル下の足元の奥に置く
- バックを椅子の真横に置いたり、椅子の背もたれにかけたりすると、サービスマンの邪魔になるのでやめましょう
料金記載の無いメニュー
グランメゾンでは、おもてなしを受ける人(ゲスト)のメニューに値段が書かれていないことがあります。
これはおもてなしをする人(ホスト)からゲストへの気遣いですが、値段が分からず、お相手にたくさん負担をかけてしまうのではないかと不安な時は、素直に相談したらよいかと思います^^
もしもご自身がホストの時は、予約時に、誰を招待するのか、何の会なのか趣旨をお店にきちんとお伝えしましょう。
(例)「母のお誕生日なので、母をディナーに招待したいです」
ナプキン
続いて、日本ではあまり知られていない、ナプキンを広げるタイミングについて解説します!
ナプキンを広げるタイミング・役割
ナプキンを広げるタイミングは、最初のドリンクまたはお料理が運ばれてきた時で、先にナプキンを広げてその場をリードする役割の人がいます。
【プライベート】ホストがリードする
(例1:男性が女性を招待した場合は、男性が先にナプキンを広げる)
(例2:娘が母を招待した場合、娘が先にナプキンを広げる)
【ビジネス】目上の人、もしくは、ホストがリードする
(例1:取引先に招待してもらった食事会では、取引先のトップの人が先にナプキン広げる)
(例2:自社が招待した食事会では、自社のトップの人が先にナプキンを広げる)
☆振る舞い美男・美人のポイント☆
ナプキンを広げるのは、「食べる準備が整いました」という合図です。
私たち日本人は、誰かのお家に食事に招待してもらった時、ごちそうを前に勝手に割箸を割ったりしませんよね。 家主の方から「どうぞ召し上がってください」と言われてから、では…とお箸に手を付けますね。 これと同じ理由で、招待していただいた場合は、勝手にナプキンを広げることはやめましょう…! |
食事に誘ってもらった際、おもてなしをしてくれる方に対して、食事に誘ってくれてありがとうござます、という気持ちで、その方の後にナプキンを広げられるとエレガントです^^
逆に、食事に招待した人(ホスト)は、自らナプキンを広げて、相手に「どうぞ」と言えるとスマートですね!
ナプキンの使い方
- ナプキンは半分に折って、輪を手前にして膝に置く
- もしも中座する時は椅子の上に置く(また戻ってきますという合図です)
- 食事後は畳まず、テーブル上に置く(きちっと四角く畳んでしまうと、ヨーロッパの文化で「お料理・サービスに満足できなかった」という意思表示になります)
フルコースの頂き方
フルコースは、アミューズブーシェ(前々菜)からコーヒー&プチフールまでありますが、特に気を付けたいポイントやこれまで多くあった質問を中心にまとめています。
食事の頂き方で注意するポイント
アミューズブーシェ(前々菜)
手で摘まめるものがほとんどで、小さなフォークが添えられていることもあります。
一口サイズのものは食べかけを戻さず、一口で頂きます。
前菜
何品かある場合は、まぜこぜに食べず、左手前から時計回りに頂きます。
日本では、給食の時間に「三角食べをしましょう」と習った方も多いと思いますが、欧米は基本は「ばっかり食べの文化」です。
まぜこぜに食べると、お料理にあちこち手を付けて食べ散らかしているように見えるようなので、海外の方との会食の時には1品づつ食べきりましょう。
日本人同士のお食事でも、手をつけるのは2品までとしておくと美しく見えますよ^^
パン
・バターは溶ける前に自分の分を切り取って、パン皿の中央に置きます。
(お皿の縁は、スタッフさんが持つところなので、縁ではなく中央がよいでしょう)
・パンをお皿にくっつけて割ると、パンくずが散りにくいです。
・落ちてしまったパンくずはかき集めないようにしましょう。
(デザートの前にスタッフさんが片付けて下さいます)
パンはいつから食べてもいいの?
【元来のマナーでは】
前菜よりも先に食べず、スープの終わりごろからメインディッシュが終わるまでに食べる
(パンは元々は、スープとメインディッシュの間のお口直しの役割でした)
【今は、お店の特色に合わせて】
「焼きたてのパンが売りなので温かいうちにどうぞ」というお店だったら、スタッフさんのご案内のとおりに、食事の1番最初に頂いて大丈夫です。
サラダ
トマト・根菜類は一口大に切り、葉物野菜は切らない(お皿とナイフの摩擦で、キーと鳴ります)
メイン料理(お魚・お肉)
前菜で三角食べはNGとお伝えしましたが、メインディッシュは付け合わせのガルニチュールと交互に食べます
※お肉・お魚+ガルニチュールで1品となるため
チーズ
パンに塗りつけてつぶさず、パンにチーズを乗せて手で頂く
デザート
デザートが数種類ある時は、味のマイルドなものから濃いものを食べると美味しく頂けます♡
また、デザートがワゴンで運ばれ、「お好きなだけどうぞ」と案内をしていただいた時は、3つまでにするとエレガントな印象になりますが、せっかくの機会なのでお言葉に甘えたり、お店の人とコミュニケーションを取りながら、食べてみたいものを心置きなく取っていただいてもよいかと思います^^
以上、高級店での入店、着席の作法、フルコースを頂く時のポイントをお伝えしました!
普段から実践することで大切な場面でも自然と振る舞えるので、レストランのお食事シーンで取り入れてみてはいかがでしょうか^^